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熊本県八代市様

熊本県八代市様 ふるさと納税勉強会「ふるさと納税で選ばれる続けるブランディング・マーケティング-ふるさと納税を起点にした地域事業者の出口戦略-」 登壇

  • 講演
熊本県八代市ふるさと納税勉強会

クライアント名

熊本県八代市様

タイトル

「ふるさと納税で選ばれる続ける ブランディング・マーケティング」―
ふるさと納税を起点にした地域事業者の出口戦略 登壇 | 小値賀地域ブランド製作所株式会

カテゴリ

講演


背景・課題

熊本県八代市の人口は、2000年の約14万人から2020年には約12万3千人へと減少し、2045年には約9万2千人まで減ると推計されています。
地域の中のお客様だけを相手にした商売では、売上を保つこと自体が年々難しくなっていく――
これは八代市に限らず、講師登壇させていただいた弊代表、小値賀の拠点である長崎県平戸市を含む、多くの地方に共通する現実です。

一方で、インターネット通販の市場は拡大を続けています。
ただし競合も増え、「売れるお店」と「売れないお店」の差がはっきり開いてきました。
ネットショップは一般に「初年度で3割、2年目で5割が廃業する」とも言われます。
お客様も「モノ」ではなく「情報」を見て買う時代になり、ただ商品を並べるだけでは選ばれなくなっています。

こうした中で、地域の事業者にとって大きな販路となっているのがふるさと納税です。
しかし、ふるさと納税は賛否両論のある制度で、今の形がこの先もずっと続くとは誰にも言えません。
「ふるさと納税で得た実績を、制度に頼り切らずに、自社が長く続くための力にどう変えていくか」
――今回の講演は、この「出口戦略」をテーマに、返礼品を扱う地域事業者の皆さまに向けて実施しました。


ソリューションと成果

講師の小値賀布美華は、資格・経験・人脈・資金がすべてゼロの専業主婦から、2016年に人口3万人の長崎県平戸市で起業しました。
広告費0円・SNS発信と自社ECサイト、モール運用、商談会出店による販路拡大で、開催当時の最高月商1,000万円、ふるさと納税の受託寄付額は月1,500万円超(2022年12月実績)にまで育てています。
本講演では、この実体験をすべて公開しながら、次の5つの流れで「自社が選ばれ続ける仕組み」の作り方をお伝えしました。

1. 数字で見る「地域の中だけでは、売上は減っていく」という現実

最初に、八代市と平戸市の人口推移、国の通販市場規模の推移、消費者の購買行動の変化などのデータを示しました。
「商圏の人口は確実に減り続ける」「通販市場は伸びているが、勝ち負けの差が広がっている」という事実を数字で共有し、「なぜ今、自社のブランドづくりが必要なのか」を参加者全員で確認するところから始めました。

2. ふるさと納税を「出口戦略」の入口にする

講師の事業は、起業当初は月商70万円でした。
そこから、ふるさと納税・自社通販(D2C)・モール通販・企業間取引(BtoB)と販路を一つずつ重ね、起業2年で月商200万円、4年で300万円、5年目以降は400〜1,000万円へと伸ばしてきました。

ポイントは、まずふるさと納税で「選ばれる仕組み」を作り、その仕組みを他の販路へ横に広げていくことです。
ふるさと納税で磨いた商品ページやお客様対応は、そのまま自社通販や卸先への提案にも使えます。
販売に人手をかけずに、商品が並ぶ場所を増やしていけるため、右肩上がりの売上につながります。

3. ブランディングとは「お客様の頭の中で、一番に思い出してもらうこと」

「長崎のお土産を買わなきゃ」と思ったとき、多くの方が「カステラにしようかな」と考えます。
さらに「カステラならどのお店?」と考えたとき、すぐに名前が浮かぶお店が勝ち残ります。
お客様の頭の中を占領したサービス・商品・会社が生き残る――これがブランディングの本質です。

ブランディングがないと、似た商品との価格競争に巻き込まれ、利益が減り、品質や宣伝にお金をかけられなくなるという「マイナスの循環」に陥ります。反対に、ブランディングがあれば価格競争から抜け出し、利益を品質や宣伝に回せる「プラスの循環」が生まれます。

その具体例として、今治タオルの復活劇と、講師自身の2つのブランドが守っている「ブランドのルール」を紹介しました。

● 今治タオル:独自の品質基準を設けて質を安定させ、ロゴを統一し、高価格商品へ転換。真っ白なタオルをブランドの象徴にし、南青山に直営店を出店

● 心優-CotoyuSweets-:平戸島・九州産の素材にこだわり、着色料・保存料・白砂糖を使わない、華やかで手仕事の高価格帯スイーツ。オンラインとギフト市場に特化

● 塩生キャラメル専門店 firando:平戸島の歴史からキャラメルに特化し、ブランドメッセージは「未来への復刻」。島の素材とパッケージで独自性を表現し、お土産市場に特化

4. 「自社=〇〇」を見つける ― お客様がお金を払いたくなる価値

次に、「自社のサービスは〇〇です」と一言で言えるかを参加者に問いかけました。ふるさと納税で選ばれるために、まず次の3点を決めることをおすすめしています。

● 何で一番に思い出してもらいたいか:商品名か、サービス名か、会社名か

● 自社だけの強みは何か:寄付者が受け取れる商品の価値は何か

● 思い出してもらうために何ができるか:商品そのもの・商品ページ・同梱物・寄付者対応の改善

あわせて、ベイン・アンド・カンパニーの調査による「人がお金を払いたくなる30の価値」を紹介しました。
満たしている価値が0個の場合、ファンがつく可能性は6%ですが、6つ満たすと34%まで上がります。
食品の場合は特に
「品質の高さ(おいしさ・手軽さ)」
「五感へのアピール」
「種類の豊富さ」
「見た目やパッケージの美しさ」
「安心感」
の5つが重要です。
食品を買うお客様は「安さ」を最優先しているわけではないという点は、値下げに頼りがちな事業者の皆さまにとって大きな気づきとなりました。

さらに、自社の価値を「お客様が得られる未来」「基本的な機能」「付帯サービス」「取引・販売実績」「メディア掲載・受賞歴」の5つに分けて整理する方法も、ワークシート形式でお伝えしました。

5. 調べて、決めて、貫く ― 地域ブランドの作り方

最後に、ブランドづくりを「①分析・戦略」「②目標設定」「③施策の実行と改善」の3段階で整理しました。
中でも出発点となる分析では、「自社」「お客様」「競合」の3つの視点で市場を見る3C分析を使い、競合がやっていないがニーズのある場所を探します。

競合調査で見るべき5項目(競合の特定・市場戦略・価格・顧客・宣伝方法)や、既存のお客様の声を集めるための調査シート(年齢・居住地・知ったきっかけ・購入前の悩み・購入理由・感想・改善希望など)も実物を公開。
調査の結果から、次の3つの「ブランドルール」を決めて、ぶれずに貫くことが大切だとお伝えしました。

● 誰のためのサービスか(ブランドターゲットを決める)

● お客様にどんなイメージを持ってほしいか(ブランドイメージを決める)

● ルールを貫き、知ってもらう機会と販売の場を広げる(一番に思い出してもらうための一貫した行動)

まとめ

ふるさと納税は、自社の商品価値を全国の方に届け、改善を重ねられる貴重な機会です。
そして、ふるさと納税にしっかり取り組み、やり切るからこそ、次の販路が手に入ります。

講師として実証してきた現場のノウハウをすべて公開しているのは、「平戸島のため」から始まった取り組みを、「日本のため」へと広げたいという想いからです。
地域で生きる事業者一人ひとりが、自ら動き出し、続けていくこと。
その積み重ねが「共創」となり、地域経済の循環を生み出し続ける基盤になります。
今後も、自治体・商工会議所・金融機関の皆さまと連携し、地域事業者の実践的な支援を続けてまいります。


質疑応答(抜粋)

講演後には多くのご質問をいただきました。一部をご紹介します。

Q.ブランディングをより深く学びたいのですが、初心者向けのおすすめの本はありますか?

A.佐藤可士和さんの『今治タオル 奇跡の復活 起死回生のブランド戦略』がおすすめです。

Q.発信しても見つけてもらえず、埋もれてしまう時代だと思います。見つけてもらうために意識したことはありますか?

A.「埋もれてしまう」「見つけてもらえない」という場合、ほとんどは発信の量が圧倒的に足りていません。
情報量を増やすことでカバーできることは多いです。

Q.ブランドイメージを作った後に反応がなかった場合、新しいイメージに変えてもよいですか?

A.まず「反応がない」の基準をどこに置いているかが大切です。
100人程度の反応なのか、数千・数万人の反応なのかで判断はまったく変わります。
十分な数で確かめたうえで動きが悪ければ、改善または方向転換をしましょう。
私たちのスイーツも、たくさん開発した中から市場の動きを見て、今のラインナップに絞り込んでいます。

Q.パートスタッフ7名で月1,000万円の売上に驚きました。品質を保つためのスタッフ管理を教えてください。

A.誰が担当しても同じ品質を保てるよう、作業をマニュアル化しています。
仮に退職者が出ても、新しく入った人が翌日から同じ仕事ができる土台を作っています。

Q.挑戦して完全に失敗したことはありますか?

A.うまくいかなかったことは数えきれません。100万円規模の損失を出したこともあります。
たくさん失敗して、改善して、人に負けないだけ努力してきた――その繰り返しで今があります。

Q.複数のSNSで、同じ内容を発信してもよいですか?

A.InstagramとFacebookは連動して投稿できるので、同じ構成で問題ありません。
ただしハッシュタグなどの特性は違うため、細かな調整はした方がよいです。
X(旧Twitter)は文字数が異なるため、構成の変更が必要な場合があります。
本来は各SNSに合わせた発信が理想ですが、地域の限られた人手では難しいもの。
発信しないよりは、少し手直しして複数のSNSに出す方がよいと思います。

Q.子育てと仕事の両立はどうでしたか?

A.もちろん大変でした。ただ、子どもには直接きちんと説明し、夫にも理解してもらっています。
自分の仕事や役割を周りに理解してもらうことで、自分自身も動きやすくなりました。


開催概要

主催熊本県八代市様
開催日2023年9月6日(水)
会場ホワイトパレス八代(熊本県八代市)
対象ふるさと納税返礼品事業者の皆さま
参加者数約60名
講演時間15:00〜16:30(90分)
同日プログラム講演後、ふるさと納税の制度改正説明(16:45〜17:30)、懇親会(18:00〜)を開催
講師小値賀地域ブランド製作所株式会社 代表取締役 小値賀 布美華

講演カリキュラム(当日の構成)

1. 自己紹介/地方発ブランドの実績紹介

・firando・心優-CotoyuSweets-のブランド戦略

・最高月商1,000万円・広告費0円の事業成長

2. 地方企業とふるさと納税

3. データから見る商圏人口と通販・消費者の動向

・八代市・平戸市の人口推移と将来推計

・通販市場の拡大と「売れる店・売れない店」の二極化

4. ふるさと納税の出口戦略

・ふるさと納税で「選ばれる仕組み」を作り、他の販路へ広げる

5. 自社が持続可能であるためのブランディング

・ブランドとブランディングの違い

・ブランディングあり・なしで生まれる循環の違い

6. ブランディングの方法と成功事例

・今治タオル・心優-CotoyuSweets-・firandoのブランドルール

・人がお金を払いたくなる30の価値

7. マーケティングの方法と成功事例

・3C分析・競合調査・お客様の声調査

・ブランドルールの決め方

8. おさらい

9. 最後に ― 地域で生きる私たちの役割


金融機関・自治体・商工会議所の皆さまへ

小値賀地域ブランド製作所株式会社では、自治体・商工会議所・商工会・金融機関・企業様向けに、以下のテーマで講演・セミナー・研修を承っております。部会単位・支部単位での小規模な研修にも対応いたします。

● ふるさと納税返礼品事業者向けブランディング研修

● SNS活用・デジタルマーケティング

● EC・D2C立ち上げと通販ページ(LP)制作

● 地域ブランディング・商品開発

● 販促マーケティング戦略

● 経営者・後継者向けビジネススクール

● 実践型ワークショップの企画・運営

講演では、講師自身が実際に使ってきた資料・調査シートをそのまま公開し、参加者の皆さまが翌日から動ける状態に落とし込むことを大切にしています。
ご相談の段階では料金はいただいておりません。
開催目的やご予算、対象となる事業者様の業種構成に合わせて内容を設計いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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