Columnコラム

【地方企業ブランディング】選ばれる企業構築のために知っておきたい”基本の型”

2022年10月20日

  • ブランディング
  • 経営

地方企業において「企業ブランディング(市場に対し企業価値の想起を獲得し、定着させること)」の全体像や重要性、
決めるべき基本型の存在自体が、まだまだ未浸透であると感じるのが現場の温度感です。


地方企業がブランディングによって得られる5つの便益については、こちらの記事で解説しましたが
では実際にどのような要素、決めるべき要項があるか、具体としての基本形や全体像について、本記事で解説いたします。


「企業価値を高める言語化を進めたい。」
「企業文化を社員に伝え、主体的に動く基盤を作りたい。」
「企業ブランディングを進めたいが、具体が分からず足が止まっている。」
「顧客と長期で信頼関係を築く取り組みが必要になっている」
「自社がライバルと何が違うのが、自社理解とともに社会的な認知にも波及させたい」など
企業ブランディングの初めの一歩にもおすすめな内容です。


選ばれる企業構築のために
知っておきたい「基本の型」とは?



企業ブランディングのスタート地点が
コーポレートアイデンティー(CI)


コーポレートアイデンティティーという言葉をご存知でしょうか?
アイデンティティーは、自己同一性。
「他ならぬ《それそのもの》であって、他の何者でもない」という状態のことを言います。


コーポレートアイデンティティーに置き換えると
「自社独自の理念や文化、目指すビジョン、行動指針を明らかにし、共感する顧客との関係性を築くこと。
また自社の独自性や価値観などの企業の本質的な要素について、統一した概念やイメージ、デザイン、サービス、メッセージ、コミュニケーションで、社内外に安定した発信を行い、想起を獲得すること。
これらにより、社会における自社の存在感を高めていく企業戦略」
となります。


少し難しく聞こえてしまうかもしれないので
簡単に言ってしまえば
「うちの会社だけしか作れない未来、世界はこれです!!」
と社内外に向けた宣誓文です。


高校野球でも
「我々は、スポーツマンシップに乗っ取り
観戦者にもワクワクを提供する試合を行うため
また、野球文化の発展のため
全力で、正々堂々と戦います!」
というような、選手宣誓から始まりますよね。
CIも同じで、企業ブランディングのスタート地点にあるものであり
そして、それが未来を作るすべてでもある、というほどの重要性を持っています。


CIの成り立ち【 CI = MI + BI + VI 】



コーポレートアイデンティティー(このあとはCIと書きます)は
3つの要素で成り立ちます。
方程式で言えば【CI=MI+BI+VI】
横文字だらけですね。もちろん日本語で行きましょう。
(私もこの方程式は覚えますが、詳細の英単語に関してはよく忘れます。
マーケティングにしてもブランディングにしても、英単語が多すぎるのです。
経営者の脳は事業創出に向けるべきなので、概要を理解するだけで十分です。)


それぞれの役割や配置を図解するとこのようになります。


CI corporate identity は3分割されます。

MI = マインド・アイデンティティ「理念の統一」
BI = ビヘイビア・アイデンティティ「行動の統一」
VI = ヴィジュアル・アイデンティティ「視覚の統一」

です。

ひとつずつ、さらに深めて解説します。


MI = マインド・アイデンティティ「理念の統一」   



MIは「理念の統一」。
企業の経営理念や、経営思想を差す存在価値(パーパス)とも言える
最も根幹にある、本質的で差別化されたメッセージのこと。


自社が目指す理想の姿、社会との関わり方
存在意義とは何かを突き詰めて考え、表現されたものです。


そして、理念を社内外に発信、浸透させる手段として
社是、行動指針・行動規範(クレド)、スローガン等を示します。
弊社コーポレートサイトに掲載されているこちらも
MIを表現したものです。




弊社は、地域の優れた食文化や歴史的な価値を高く捉え
国内外に広く、強く発信することで
地域経済が持続する未来を描いています。


そのための手段として
企業ブランディングやマーケティング、商品開発、WEB制作などのサービスメニューがあり
支援対象が地域企業に限定され、強いコミットメントが働くことで
弊社の独自性として、社内外へ想起定着させていく、という流れになります。



つまり、冒頭でも添えた通り
企業ブランディングは、CI、そしてMIが起点となります。


BI = ビヘイビア・アイデンティティ「行動の統一」



BIは「行動の統一」。


MI設計のフェーズで
経営理念、経営哲学、企業理念などを実現するために
どんな在り方(マインド)を持つかが決まりました。
これがさらに具体となったとき
どのような行動を起こすかを示したものです。


自社のビジョン、ミッションを達成するために
どの事業分野で、どのような戦略設計を行い
どの期間で、ビジョンを達成するのか
それはどれだけの経営規模と想定し、目指すのか。


経営目標達成のための経営事業ビジョンを、
定量と定性の両方で定義し
組織、顧客、社会に指針として策定を行います。


定量は、具体的なバリューとして、どんなサービスを提供するのか。
弊社で言えば、こちらに表記しています。


定性は、製作所の文化として、弊社人材は
この在り方を持って、顧客、社会、組織に向き合います、と
8つを掲げました。


自社が提供するバリュー(価値)は
サービス内容と、コミットメントの掛け算で
地域資産の最大化を目指します。
企業支援を行います、という宣誓です。


また、企業ブランディングにはストーリーも重要となりますが
起点であり根幹にあるMIを達成するためのBIを
創業から達成まで時系列で捉え、描いたものが
「コーポレートストーリー」、つまり企業独自の物語となります。


(パーパス(※パーパス経営)については、また別記事にまとめます。)



点で語られることが多い企業ブランディングの戦略設計ですが
こうして全体図を見ると
自社の現在地、そして目指す場所
その間にあるギャップが明確になるかと思います。


VI = ヴィジュアル・アイデンティティ「視覚の統一」



VIは「視覚の統一」。


MIとBIで築いた世界観を、視覚的統一感を持たせ、表現することを指します。
ロゴ、イメージカラー、写真など
顧客が企業を視覚的に捉えるインターフェイスに
MI、BIを反映させ、顧客からの認知を一貫して獲得するためにあります。


象徴的なVIは「企業ロゴ」。
アップル、コカコーラ、など
ロゴを見るだけでどんな会社か、勝手にイメージが湧きますし
こちらのロゴを見ても、必ず商品に反映されています。

ヤマト運輸や佐川急便のロゴも
企業想起に、事業内容まで反映されています。

また、ロゴだけでなく、どんな写真をWEBサイトやカタログ、自社資料につかうか
どんなフォント、どんなカラーを使うかも
企業のビジュアルルールとして、イメージを想起するものに一致させます。


製作所のコーポレートカラーは「ブルー」。
ロゴは100年先も愛される地方企業を表現するものとして
家紋のようなロゴを制作しました。
これは日本文化を国外に発信するビジョンも含み
ブルーは海を渡り、国内外に愛される企業支援に対する宣誓を
反映させたものです。


また、コーポレートサイトやSNS、企業資料や事業資料に使う写真は
「自然」「地域」「人」「パソコン」で統一し
地域を愛すこと。
デジタルを活用すること。
そこには高い熱量があり、コミュニケーションによって
地域経済を共創する在り方を落とし込んだ、弊社のVIです。


選ばれる企業構築のために
知っておきたい基本の型 「CI=コーポレートアイデンティティー」


企業ブランディングはCIから始まる


コーポレートアイデンティティーは
自社が唯一無二であることを、現実的に構築するものです。
「他ならぬ《それそのもの》であって、他の何者でもない」という企業の状態を
社会、顧客、組織が共通した概念、行動によって成り立ち、認識され
選ばれ続ける企業であるために今求められる経営戦略と言えます。

何を持って「自社独自である」と言えるのか
表現する根幹を明らかにしないまま
枝葉のまま、BIやVIを決めるケースが
地域では多く見られます。


これでは時間も、人材のパフォーマンスも、サービスの一貫性も、顧客との関係構築においても
あらゆる面で損失を生み続けることになり
今こそ根幹に立ち返り、自社とは何者か
何のために存在するのかの本質に向き合うことが
結果として、息の長い企業、100年先も愛され続ける企業を生むことになるのです。



「企業価値を高める言語化を進めたい。」
「企業文化を社員に伝え、主体的に動く基盤を作りたい。」
「企業ブランディングを進めたいが、具体が分からず足が止まっている。」
「顧客と長期で信頼関係を築く取り組みが必要になっている」
「自社がライバルと何が違うのが、自社理解とともに社会的な認知にも波及させたい」など
企業ブランディングに取り組みを進めたい方に
本記事をぜひシェアしていただければと思います。

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